「自分の声でUTAU音源を作って、オリジナルキャラクターやTRPG探索者に歌わせてみたい!」
OpenUTAUでは、配布されている音源を使うだけでなく、自分で録音した声からオリジナルのUTAU音源を作ることもできます。
ただ、いざ作ろうとすると、録音リスト、ガイドBGM、単独音・連続音、原音設定、oto.ini、エイリアスなど、初めて見る言葉がたくさん出てきます。
私も最初は「必要な音を録音してOpenUTAUに入れれば歌うのかな?」くらいの認識から始めました。
実際には、大きく分けると、録音 → 原音設定 → 音源としてまとめる → OpenUTAUなどで歌わせて動作確認という流れになります。
この記事では、私が実際に自分の声から探索者用の音源を作ったときの経験をもとに、録音から「自分の音源が実際に歌った!」というところまでの全体像をまとめます。
OpenUTAU自体の基本操作や、USTを使って曲を歌わせる方法はこちらの記事で紹介しています。

UTAU音源制作の全体の流れ
1. 必要な声を録音する
録音リストとガイドBGMを使いながら、UTAU音源として必要な声を録ります。
2. 原音設定する
録音したwavの、どこから音を使うか、子音や母音をどう扱うか、何という名前で呼び出すかなどを設定します。
3. UTAU音源としてまとめる
wav、原音設定を保存したoto.ini、音源名などを記載したファイルをまとめます。
4. OpenUTAUなどに読み込む
完成した音源をSingerとして読み込みます。
5. USTを使って歌わせてみる
実際に曲を再生し、必要な音がきちんと鳴るかをチェックします。音が鳴らなければ、エイリアスや原音設定などを確認します。
ここまでできれば、まずは自作UTAU音源の完成です。その後、キャラクターらしく声質を変えたり、ピッチを調整したり、BGMと合わせたりしていきます。
使っている端末によって必要なソフトが変わる
UTAU音源制作は、WindowsだけでなくMacやスマートフォンでもできるようになっています。ただし、同じソフトがすべての端末で使えるわけではありません。
| 作業 | Windows | Mac | iPhone・iPad |
|---|---|---|---|
| 録音 | OREMO / RecStar | RecStar | RecStar |
| 原音設定 | setParam / vLabeler | vLabeler | LABERU |
| 歌わせる | OpenUTAU | OpenUTAU | UTAlet |
私はWindowsではOREMO+setParam+OpenUTAUを使用
この記事で主に紹介するのは、OREMO → setParam → OpenUTAUというWindows環境で実際に使った方法です。
ただし、これが唯一の方法ではありません。現在ではRecStarやvLabelerなど、複数OSで利用できる選択肢もあります。
iPhone・iPadしかなくてもUTAU音源は作れる?
これも実際に試してみました。結論としては、PCなしでも音源制作自体は可能です。
ただし、Windowsで作業する場合と比べると、特に原音設定の部分は少し手間が増れます。
録音はRecStarで問題なくできた
iPhone・iPadでは、録音にRecStarを使えます。
実際にiOS版を試したところ、録音リストを読み込む、ガイドBGMを設定する、リストに沿って順番に録音する、録音した音を確認する、気になる音だけ録り直す、録音データを保存する、という一連の作業は問題なく行えました。
使い勝手も、細かなUIは違うものの、OREMOと同じく「リストとガイドに沿って順番に録っていく」という考え方なので、それほど戸惑いませんでした。
原音設定はiOSだと少し大変
PCとの一番大きな違いはここでした。Windowsでは、私が使ったsetParamで単独音や連続音の原音位置をある程度自動推定できます。
一方、iPhoneやiPadではsetParamを使えません。代わりに、ブラウザ上で動作するLABERUを利用できます。
ただし、少なくとも私が試した範囲では、setParamで行ったような「録音タイミングをもとに全体を自動推定して、そこから外れたものだけ直す」という作業をiOSだけで同じように済ませるのは難しそうでした。
録音だけスマホで行い、原音設定以降はPCで行えるなら、その方法もかなり楽だと思います。PCがまったく使えない場合でも、LABERUを使えば原音設定そのものはできます。
UTAletでは実際に自作音源を歌わせられた
iOSではOpenUTAU自体は利用できませんが、ブラウザ上で使えるUTAletがあります。
私も現在スマホだけでの制作を試している途中ですが、原音設定済みの自作音源+USTをUTAletへ読み込み、実際に歌声を出すところまでは確認できました。
OpenUTAUほど細かな調声機能はありませんが、「PCを持っていないけれど、自分で録った音源を一度歌わせてみたい」という用途なら選択肢になります。
まず録音用の素材を用意する
ここからは、私がWindowsで実際に作ったときの流れを中心に説明します。
1. 録音ソフト
私はOREMOを使いました。現在ならRecStarを使う方法もあります。
2. 録音データの保存先
録音したwavを入れるフォルダです。別のキャラクターや以前の録音を上書きしないように、一回の収録ごとに新しいフォルダを作るのがおすすめです。
3. 録音リスト
必要な音が並んだテキストファイルです。録音ソフトに読み込むことで、どの音を録ったか・次に何を録るかが分かりやすくなります。
4. ガイドBGM
発声するタイミング・長さ・音程をそろえるための音声です。
私は、とーごア式の「はじめてのれんたん風単独音」を使い、6モーラ・BPM120・C4のガイドで録音しました。このC4はUTAU音源全体の推奨値という意味ではなく、今回私が発声しやすかった高さとして選んだものです。
録音時にどのリスト・BPM・モーラ数を使ったかは、あとで原音設定するときに必要になる場合があるのでメモしておきます。
録音するときに一番先に確認したいこと
実際に録音してみて、「これは本番前に確認した方がいい」と感じたのが、ガイドBGMが録音に混ざっていないかです。
ガイドBGMはイヤホンやヘッドホンで聞きます。そのうえで、一度、自分では何も喋らず、ガイドBGMだけ流して録音してみるのがおすすめです。
本来ほぼ無音になる場所にガイドの波形が入っているなら、録音デバイスやPCの音声設定を見直します。
本番では、声量、マイクとの距離、声の高さ、発声タイミング、声質をなるべくそろえます。
キャラクター専用音源を作るなら「そのキャラクターらしい声で録る」のも楽しいのですが、まずは声量やタイミングを安定させることを優先した方が後の作業は楽でした。声質はOpenUTAU側でもある程度調整できます。
録音は、最初から専用機材を一式そろえなくても始められます。まずは手持ちのマイクや端末で試してみて、ノイズや録音品質が気になるようになったら機材を追加する方法でも十分です。
録音環境を整えたい場合は、PCへ直接つなぎやすいUSBマイクや、破裂音を抑えるためのポップガードなどが選択肢になります。
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また、ガイドBGMを聞きながら録音するときは、スピーカーから音を出すと録音に入り込むことがあります。手持ちのイヤホンやヘッドホンで問題ありませんが、録音やMIXにも使うものを探すならモニターヘッドホンという選択肢もあります。
録音したら必ず生データをバックアップする
録音が終わったら、原音設定を始める前に、録音フォルダを丸ごとコピーします。
UTAU音源制作/
├─ 01_RAW_録音/
├─ 02_原音設定作業/
├─ 03_完成音源/
└─ 99_BACKUP/
OREMOの録音データを01_RAW_録音に保存し、そこからコピーしたものを02_原音設定作業で編集します。こうしておけば、原音設定中に何かおかしくなっても最初の録音へ戻れます。
次は「原音設定」をする
録音したwavは、そのままではUTAU音源として使いやすい状態になっていません。
そこで行うのが原音設定です。かなりざっくり言えば、「このwavの、この部分を、この文字の音として使ってください」と歌声合成ソフトに教える作業です。
設定する内容には、エイリアス、左ブランク、オーバーラップ、先行発声、固定範囲、右ブランクなどがあります。
WindowsではsetParamである程度自動化できる
私はsetParamを使用しました。今回のような音源では、全音を一つずつゼロから設定するのではなく、まず自動推定 → 代表的な音を確認 → 大きく外れているものだけ修正という方法が取れました。
私は「あ」「か」「さ」「た」「ふ」「ん」「ら」「きゃ」など、性質の違う音を抜き打ちで確認し、特殊音など自動推定から外れたものを個別に直しました。
原音設定の具体的な操作や各線の意味については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

原音設定が終わったらUTAU音源としてまとめる
原音設定が終わると、oto.iniというファイルができます。
探索者名/
├─ wavファイル一式
├─ oto.ini
├─ character.txt
└─ icon.png(任意)
character.txtには音源名や作者名などを記載します。私はこのフォルダをZIP化してOpenUTAUへインストールしました。
最後に実際に歌わせてチェックする
音源をまとめたら、いよいよ動作確認です。Windows・MacならOpenUTAU、スマートフォンならUTAletなどへ読み込み、USTを使って歌わせます。
この段階では、上手に歌っているかより、必要な音が全部鳴るかを確認します。
一部の音が鳴らなかったら?
私は最初、自作音源をOpenUTAUへ入れたところ、10音に1音くらいしか鳴らないという状態になりました。
原因は録音そのものではなく、エイリアスの違いでした。
たとえば原音設定では- かと登録されているのに、OpenUTAU側ではかを探していると、その音を呼び出せません。
私の場合はsetParamでエイリアスを一括修正すると鳴るようになりました。
そのため音が出ないときは、いきなり録音からやり直すのではなく、音源が正しく読み込まれているか、エイリアスが合っているか、Phonemizerが音源方式に合っているか、oto.iniが正しく読み込まれているか、文字コードやファイル名に問題がないか、などを確認します。
歌ったら、ひとまず自作音源は完成!
ここまで来れば、自分で録った声 → 原音設定 → 自作UTAU音源 → USTに合わせて実際に歌うというところまで完成です。
この先には、resamplerを変えて声質を変える、Genderなどを調整してキャラクターらしい声にする、ピッチやビブラートを調整する、BGMと合わせる、MIXする、といった工程があります。
ただし、この部分はすでに「OpenUTAUで探索者を歌わせる」側の話になります。

まずこの記事では、「自分の声から、実際に歌うUTAU音源を一つ作る」ところまでできれば十分です。
最初から全部理解しなくても大丈夫
UTAU音源制作について調べると、単独音、連続音、CVVC、oto.ini、エイリアス、原音設定、Phonemizerなど、次々と知らない言葉が出てきます。
私も最初から仕組みを全部理解して作ったわけではありません。
まず録る → 原音設定してみる → 歌わせる → 鳴らないところがあれば原因を調べるという順番でも、一つずつ形になっていきました。
Windows環境があれば自動設定などを使って比較的楽に進められますし、iPhone・iPadしかなくてもRecStar・LABERU・UTAletを組み合わせることで、実際に自分の音源を歌わせるところまでは進められます。
まずは一つ、自分の声から音源を作ってみるのがおすすめです。
一方で、「自分で音源を作る」以外にも、声優さんへ依頼してオリジナルキャラクターに声をつけてもらう方法があります。キャラクターの声を形にする別の選択肢として、こちらも紹介しています。

今後は、OREMOでUTAU音源を録音する方法、RecStarを使ってiPhone・iPadでUTAU音源を録音する方法、原音設定とは?setParamで自動設定する方法、LABERUでスマホから原音設定する方法、OpenUTAUで自作音源が鳴らないときのチェックポイント、女性の声から男性キャラクターらしい声に調整する方法、初心者向けMIX、UTAU音源録音にマイクは必要?なども、実際に試した内容をもとに紹介していく予定です。
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