イラストや漫画、TRPG素材、Webツールなど、創作をお金につなげる方法はいくつかあります。
私自身もこれまでに、BOOTH・つなぐ・SKIMA・Skebを購入者・販売者の両方で使ってきました。
ただ、実際に使ってみると、この4つは同じ「創作を売るサービス」でもかなり性格が違います。
ざっくり分けると、
- 完成した商品を置いて繰り返し売りたいならBOOTH
- 安価な依頼や実績作りから始めたいならつなぐ
- 相談や募集機能を重視したいならSKIMA
- やり取りを最小限にして、クリエイターにおまかせしたいならSkeb
という違いがあります。
この記事では、「どこが一番稼げるか」ではなく、どんな形で創作を収益化したいかという視点から、それぞれの特徴や使い分けを比較します。
BOOTH・つなぐ・SKIMA・Skebの違いを簡単に比較
BOOTH
完成品を販売
→ 同人誌・素材・ツールなどを売りたい人向け
→ 一度作ったものを繰り返し販売しやすい
つなぐ
コミッション・完成品販売など
→ 安価な依頼や実績作りから始めたい人向け
→ 手数料が低く、卵商品やサブスクなど独自機能が多い
SKIMA
コミッション
→ 相談や募集機能を重視したい人向け
→ プロジェクト・コンペなど依頼側の機能が充実
Skeb
リクエスト
→ やり取りを減らして依頼を受けたい人向け
→ 原則「リクエスト→納品」の1往復
※手数料や仕様は変更されることがあるため、利用前に各サービスの公式情報も確認してください。
BOOTH|一度作った商品を繰り返し販売したい人向け
BOOTHは、依頼を受けてその都度制作するというより、すでに完成しているものを商品として販売するのに向いています。
例えば、
- 同人誌
- イラスト素材
- TRPG素材
- 音声
- テンプレート
- Webツール
- ハンドメイド作品
などです。
私自身、これまでに冊子類・レジン製ストラップ・TRPG関連Webツールなど、6種類ほどの商品をBOOTHで販売した経験があります。
BOOTHのメリットは「一度作ったものが後からも売れる」こと
BOOTHの大きなメリットは、商品によっては一度作れば、その後は依頼ごとに制作しなくても販売できることです。
特にダウンロード商品やWebツールのようなものは、購入者が増えてもそのたびに同じ作業を繰り返す必要がありません。
私の場合も、Webツールは公開後すぐに大量に売れるというより、需要のあるものが長期間にわたってぽつぽつ購入される傾向がありました。
また、かなり用途が限定されたツールよりも、利用できる人の多いものの方が売れやすかったです。
そのためBOOTHは、「自分の時間を1件ずつ売る」のではなく、作ったものをストックとして販売する収益化と相性がいいと感じています。
売れ行きは「BOOTHを使うか」より商品需要の影響が大きい
BOOTHでは、同じ販売者でも商品によって売れ方にかなり差が出ます。
私の経験でも、商品ジャンルや、その時点での需要によって売れ行きにはかなり差がありました。
そのため、
「BOOTHに出せば売れる」
というより、
その商品自体にどれだけ需要があるか
の影響が大きいと思います。
SNSなどと併用した方が見つけてもらいやすい
私が使った範囲では、BOOTH内の露出だけに頼るより、SNSなどで商品を紹介した時の方が見つけてもらいやすいと感じました。
特に公開直後やアップデート時などに、
SNSで知ってもらう → BOOTHで購入してもらう
という流れを作れると相性が良いです。
売上金の受取期限には注意
BOOTHでは、未受取の売上金に受取期限があります。期限も受け取り金額確定日から6ヶ月以内と短めです。
私自身も実際に売上を失効させてしまった経験があります。
売上が少額だとそのまま放置してしまいやすいため、特にたまにしか販売しない場合は注意が必要です。
つなぐ|手数料が安く、低価格から始めやすい
つなぐは、イラスト・デザイン・文章などの制作依頼を受けられるサービスです。
販売者側の手数料が比較的低く、安価な商品も多いため、購入者・販売者ともに始めやすい印象があります。
私は購入者として18件ほど利用しています。
SKIMAより利用し始めた時期は遅いのですが、依頼件数はつなぐの方が多くなりました。
理由の一つが、安価に試しやすいことです。
500円から試せる「卵商品」
つなぐには「卵商品」という仕組みがあります。
500円などの低価格で依頼できる商品があり、購入者側は、
「この人に一度頼んでみたい」
という時にかなり使いやすいです。
私自身も、つなぐでは1回500〜2,000円程度の依頼をすることが多く、SKIMAよりもお試し感覚で利用する回数が増えました。
販売者側から見ても、最初の実績やレビューを作るきっかけにしやすいと思います。
実績ゼロから始めたい人にも向いている
コミッションサービスでは、実績や評価が少ないと最初の依頼を受けにくいことがあります。
その点、低価格の商品があると、購入者にとっての心理的ハードルが下がります。
「まず一度頼んでもらう」
↓
「評価や実績が付く」
↓
「次の依頼につながる」
という流れを作りやすいのは、つなぐの強みだと思います。
サブスクなど独自機能も多い
つなぐには通常のコミッション以外にも、サブスクなどの販売形式があります。
定期的にイラスト・音声・文章などを提供したい人にとっては、単発依頼以外の収益化方法を作れるのが面白いところです。
Wickポイントから依頼できるのも特徴
つなぐはWickと連携しており、Wickで貯めたポイントを使って依頼できる仕組みがあります。
現金を直接使うことには少し抵抗があっても、SNSで貯めたポイントなら趣味に使いやすいと感じる人もいるでしょう。
特に「ちょっと依頼してみたい」という場合の心理的ハードルを下げる仕組みだと思います。
※ただし、2026年8月26日現在はポイントを使用するための機能がWickでメンテナンス中となり使えません。Wickの使用を検討している方は、状況を確認してからの開始をおすすめします。
一方で、依頼前の連絡は少し注意したい
私が利用した範囲では、最初の問い合わせをしても返信がなく、そのまま依頼できなかったケースが何度かありました。
体感では、実際に依頼まで進んだ件数の約1.5倍ほどの相手に相談しています。
つまり、相談した相手のうち3人に1人程度は、最初の連絡から依頼成立まで進まなかった計算です。
また、コミッションページに表示されている価格と、実際に相談した際に提示された金額に差があったことも2件ほどありました。
もちろん、これは私が実際に利用した範囲での体験です。
ただ、つなぐを使う場合は、
- クリエイターの評価
- 現在も受付中か
- 表示価格で依頼できるか
- 追加料金が発生する条件はあるか
などを、依頼前に一度確認しておくと安心です。
SKIMA|相談しながらしっかり依頼したい人向け
SKIMAも、イラスト・デザイン・文章などを依頼できるコミッションサービスです。
私は購入者として10件程度利用しています。
利用歴はつなぐより2年ほど長いのですが、依頼件数はつなぐより少なめです。
これはSKIMAでは、私の場合1回3,000〜15,000円程度の比較的高めの依頼をすることが多く、相手を吟味してから依頼する使い方になりやすかったためです。
つなぐより高額な依頼をしやすい印象
つなぐでは安価な卵商品を気軽に利用することが多い一方、SKIMAでは、
「この人にしっかり頼みたい」
という時に使うことが多くなりました。
そのため私の中では、
- つなぐ:まず試してみる
- SKIMA:比較して本格的に依頼する
という使い分けになっています。
もちろん、SKIMAにも低価格の商品はありますし、つなぐにも高額な依頼はあります。
あくまで実際に利用した中で感じた傾向です。
プロジェクトとコンペが使える
SKIMAの大きな特徴は、依頼者側から募集できる機能が充実していることです。
リクエストには、
- プロジェクト形式
- コンペ形式
があります。
プロジェクト形式では、条件に合うクリエイターから提案を集め、その中から依頼相手を選べます。
一方コンペでは、実際の案や作品を見たうえで採用できます。
「誰に頼めばいいか分からない」
という時にはかなり便利です。
私自身も、特定のクリエイターに直接頼むだけでなく、コンペ目的でSKIMAを使うことがあります。
購入者として商品を探しやすい
個人的には、購入者として商品をたくさんチェックする場合は、SKIMAの方が使いやすいと感じています。
お気に入りした商品の管理や、募集・依頼機能などが比較的整理されており、
「後で依頼したい人を探す」
という使い方がしやすいです。
つなぐではお気に入り件数が増えると、受付停止中・終了済みの商品などが混ざり、以前保存したものを後から探しにくいと感じることがあります。
手数料は高め
一方で、販売者側から見るとSKIMAは手数料が比較的高めです。
そのため、同じ販売価格でも手元に残る金額を重視する場合は、つなぐなど他サービスと比較した方がいいでしょう。
Skeb|「この人の作品が欲しい」という依頼に向いている
Skebは、SKIMAやつなぐとはかなり性格が違います。
最大の特徴は、原則として依頼者とクリエイターがやり取りをしないことです。
見積もりや事前相談、打ち合わせ、リテイクなどは基本的に行わず、
リクエストを送る → クリエイターが制作 → 納品
という流れになります。
私は購入者として4件ほど、販売者として5件ほど利用しています。
やり取りが少ない=依頼が簡単、とは限らない
Skebは打ち合わせがないため、やり取りの負担が少ないサービスです。
ただし、購入者として使うと、
最初のリクエスト一通ですべて伝えなければならない
という難しさもあります。
あとから、
「ここを書き忘れた」
「この資料も必要だった」
と思っても補足できません。
そのため私自身も、
- どう書けば失礼にならないか
- 必要な情報は漏れていないか
- 資料はこれで足りるか
など、依頼文を作る段階でかなり悩むことがあります。
周囲でも、リクエスト文や資料を準備するのがハードルになり、依頼をためらっている人を見かけます。
販売者側も「確認できない」プレッシャーがある
販売者側から見ると、やり取りが少ないことをメリットと感じる人もいると思います。
何度も確認や修正の連絡をする必要がないためです。
一方で、私は依頼内容との齟齬をできるだけ減らしたいタイプなので、
「この情報はどういう意味だろう」
「資料から判断できない」
という時に質問できないことにはプレッシャーを感じました。
クリエイターとして活動する方には経験がある方もいるのではないかと思いますが、中性的なキャラクターの性別など、重要な情報の記載があるとは限りません。
SKIMAやつなぐであれば、分からないことを依頼者に確認できます。
Skebではそれができないため、細かく相談しながら確実に仕上げたい人には向かない場合があります。
「最低金額」と「おまかせ金額」がある
Skebには最低金額のほかに、おまかせ金額があります。
クリエイター側からすると、
「自分はいくらに設定するべきか」
と毎回相場を考えなくても、金額の目安が出るのはかなり便利です。
一方、依頼者として使うと、
「最低金額なら手が届くけれど、おまかせ金額の方がかなり高い」
「最低額で送るのは失礼ではないか」
と悩むこともあります。
同じ機能でも、
- 販売者:価格設定が楽
- 購入者:いくらで送るか悩む
という違いがあります。
Skebは「この内容を正確に作ってほしい」より「この人に作ってほしい」
私が実際に利用して感じたのは、Skebは、
「この内容を正確に作ってほしい」
という依頼より、
「このクリエイターが自分のお題をどう作品にしてくれるか見たい」
という使い方に向いていることです。
私自身、Skebで依頼した相手はすべて、もともと知っていた、あるいはファンだったクリエイターでした。
販売者として受けた依頼も、半数ほどは以前から交流のあるフォロワーからのものでした。
すでにその人の作品が好きで、
「この人が描いてくれるなら、細部はおまかせでも嬉しい」
という関係性と相性がいいサービスだと思います。
TRPG界隈ではシナリオ作者への依頼にも向いている
私の周囲では、TRPGシナリオ作者に、
- NPCを描いてもらう
- 自分たちの通過者を描いてもらう
といった形でSkebを使うケースをよく見ます。
「この作者の絵や作品が好き」
というファン心理がすでにあるため、Skebの仕組みと相性がいいのだと思います。
海外ユーザーから依頼が来ることもある
私は、面識やフォロー関係のない海外ユーザーからSkeb経由で依頼を受けたこともあります。
Skebには翻訳を補助する仕組みがあるため、言語の違う相手から依頼されるハードルも比較的低いように感じました。
ただし、これは私自身の2件の経験なので、
「海外依頼が必ず来やすい」
とまでは言えません。
4サービスは「何を売るか」より「どう売りたいか」で選ぶと分かりやすい
BOOTH・つなぐ・SKIMA・Skebは、どれか一つが完全に優れているわけではありません。
重要なのは、自分がどんな形でお金を得たいかです。
BOOTHがおすすめな人
- 完成した商品を販売したい
- 一度作ったものを何度も売りたい
- 同人誌・素材・ツールなどを販売したい
- 依頼ごとのやり取りを減らしたい
- ストック型の収益を作りたい
つなぐがおすすめな人
- 手数料を抑えたい
- 低価格から実績を作りたい
- 気軽なコミッションを出したい
- 卵商品を活用したい
- サブスクなど複数の販売方法を試したい
SKIMAがおすすめな人
- 依頼者と相談しながら制作したい
- 比較的しっかりした価格帯で依頼を受けたい
- プロジェクトやコンペから仕事を探したい
- 購入者側の検索・募集機能を重視したい
Skebがおすすめな人
- やり取りをできるだけ減らしたい
- リテイクや打ち合わせを前提にしたくない
- すでに自分の作品を好きな人から依頼を受けたい
- 「何を描くか」より「自分に描いてほしい」と思ってもらえる人
- 海外ユーザーからの依頼にも対応してみたい
結局、創作で収益化するならどれがいい?
4つを使ってみて感じるのは、
「何が作れるか」だけでなく、「どうお金に変えたいか」で選ぶのが大切
ということです。
BOOTHは、作品そのものを商品として売る場所。
つなぐは、低価格から始めやすいコミッション。
SKIMAは、相談・募集しながらしっかり依頼する場所。
Skebは、「あなたの作品が欲しい」というファンからリクエストを受ける場所。
という違いがあります。
また、一つに絞る必要もありません。
例えば、
- 完成した素材やツールはBOOTH
- 安価なコミッションはつなぐ
- 相談が必要な依頼はSKIMA
- おまかせ型のリクエストはSkeb
と使い分けることもできます。
創作で収益化したい時は、まず自分が、
商品を売りたいのか
時間を売りたいのか
ファンからリクエストを受けたいのか
を考えてみると、使うサービスを選びやすくなります。
